ヴィンセント・ギャロの2作目の監督作品「ブラウンバニー」
好きなものはそんなに多くを語りたくなかったけれど、今回は敢えて。 「バッファロー’66」も好きだけれど、ギャロ本人も言っているようにあれはエンターテイメントな映画である。 一方「ブラウン・バニー」はどうであろうか。 本人の言葉を借りるならば、それはソフィスティケーションにおいてレベルが違うのである。 この映画の最大のシーンは例の「クロエとのラストシーン」ではなく、 ギャロがいやいや役名でいこう、バド・クレイが「プリーズ」と哀願するシーン、それにひとり孤独に車を運転するバド・クレイの横顔だと思う。 誤解を恐れずに言うとこの映画は女性はさっぱり良さがわからないのではないかと僕も思う。 僕もと言ったのは、他の多くの男性や女性がそう言っているのを聞いたり、読んだりしたからだ。 男は死ぬまで男で、女も死ぬまで女だ。だからきっと女性はこのバド・クレイの気持ちは死んだってわからないし、愛しく感じることはあっても、かっこいいとは思わないのではないか。 男は繊細な生き物だ。女がどう感じるかは分からないが、男のすべてがバド・クレイの「プリーズ」と横顔に凝縮されているように思える。 自分の今いる場所を、足場を思わず考えてしまう、見終わった時に。 まあ、これ別にギャロの実体験でもないし、バド・クレイ=ギャロってわけでもないし。 でもギャロはこの映画の風景こそが最も美しく、最も感動的であって、だから主人公がどんな感情を辿ったのかを語るのは風景なんだ。と言っている。 ギャロがアルバム「when」をリリースした時に、自分で撮ったジャケットの写真について 「これは長く、どこまでも続く孤独なロードってこと。でも、地平線にはうっすら虹がかかってる。そうかなりシンプルだよな(笑)」と言っていたのを、思い出した。 「ブラウン・バニー」がどんな映画か説明するのは難しいが、この言葉だろうなと思う。 「これは長く、どこまでも続く孤独なロードってこと。でも、地平線にはうっすら虹がかかってる。そうかなりシンプルだよな(笑)」これだね。これ。 今日の1曲 Vincent Gallo "Yes I'm Lonely"
by takayukissyou
| 2005-11-29 14:05
| 映画
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